都城三股農福連携協議会_事業モデル_アイキャッチ

私たちの推進する農福連携とは、どのような形態か。
どのように農のチカラを活用し、どんな課題を解決へ導くのか。
私たちが構築する農福連携の手法と、何のために農福連携連携事業を行うのかを明らかにして推進しています。

この記事でお伝えすること
  • 農の効果を多面的に活用すること
  • 農の効果・効能を活用した認知症高齢者向けプログラム
  • 新型コロナによる新たな社会課題に対応する
  • どのような目的と意図でプログラムを提供するのか
  • 社会に必要なソリューションは創り出せばよい

農のチカラで社会課題の解決へ

農福連携は、少しづつ波及し、その認知を広げてきました。
現在、“農との融合”による新しい手法から社会課題の解決を図ろうと、多様な農福連携が生まれています。

農を活用したソリューションの普及を目指す

私たちの活動も、農のさまざまな効果・効用に注目し、農のチカラを最大限に活用して、複雑化した社会課題の本質にアプローチし根本的な解決を目指しています。

そして、私たちの活動や情報発信が刺激となり、これからの実践者にとって新たな“農との融合”の可能性を見つけるきっかけになればと、考えています。

農の医療的・福祉的活用

農業には、さまざまな側面があります。
単に生産・販売だけではなく、作物を育てる工程には複数の効果や効用を見つけることが出来ます。

播種した種

私たちは、このような農の効果を有効に活用し、新たなソリューションを創造すること、それにより当事者とその家族の福祉課題を解決することができること。

それは、新たな価値創造である、ということを学びました。

これまでの農福連携の概念を“担い手不足×障がい者雇用”とするならば、私たちの目指す農福連携は、“農の医療的・福祉的活用”と表現できるでしょう。

農作業による認知機能改善プログラム

農業には、不思議なチカラがあります。
みんなで農作業をすると、笑顔になり、穏やかな雰囲気がその場を包み込む。
とても幸福な瞬間を感じることができます。
農の「優しさ」に触れながら、心理的抵抗の少ない環境の中で、このプログラムは実施されます。

農福リハビリ花壇の整備風景_都城三股農福連携協議会

私たちは、農作業の持つ不思議なチカラに、脳機能学に基づいた最新の認知科学による心理技術を統合「軽度の農作業による認知機能改善プログラム」を構築しました。

そして、精神科医や専門家、そして国内最高峰の研究機関や大学の協力を得て、医学的なエビデンスに沿って、日々アップデートを行っています。

私たちは、このプログラムの運用を通じて、「当事者とその家族の苦痛と苦悩を緩和する」ことを目的にに活動を行っています。

新型コロナによる新たな課題とソリューション

そして現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、新たな課題を認識することとなりました。

ウイルスによる接触回避は、人と人とのつながりを奪い、孤独や経済的困窮から発生する“思考の歪み”は、弱者からさらなる弱者へと連鎖し、社会的孤立、差別そして排除を生み出してゆく。

苦悩する男性

これらの渦中にいる当事者は、自尊感情と自己受容感が低く、自己肯定感が著しく低下し、自信を喪失した否定的な思考は、自己評価を下げ積極的・能動的な行動を制限してしまいます。

全国から届くこれらの喫緊な課題に対し地域を超えて、新たな取り組みも開始しています。

自己肯定感を回復させ、自らの意思で社会参加を目指す自助につながる自立サポートとして、介護者向けや家族向けのプログラムも開発し普及に務めています。

課題解決と『幸福』のための取り組みであること

わたしは、この農の持つチカラを多面的に活用することを「農力の最大化」と称しています。
そして、実践者は、これまでの事業領域を越境し、そのチカラを社会のために転用し課題解決のために展開して行くことが肝要です。

そのためには、高い抽象度から思考し、行動してみること。
農福連携の「福」は、『幸福』のための「福」と再定義すると、『幸福』を実現するための方法は、無数に広がってゆくのです。

農福リハビリ農作業風景男性高齢者_都城三股農福連携協議会

農福連携の実践を考えるとき、政策や既存のモデルを参考にして構築するのでは無く、当事者の課題解決を起点として思考することがもっとも重要です。

制度の枠組みから外れようと、前例が在ろうと、無かろうと本当に社会が必要とするのであれば、それぞれの実践者が創造すればよい。
何かへの想いをできる限り個人的に表現することで、自分らしい取り組みが見えてきます。

多様な背景をもつ当事者とその家族が、ユニークな農福連携を通じて、人権を擁護し相互理解を深め、自ら望んだ人生を実現しながら、共生できる豊かな地域社会の実現をサポートする取り組みが、ひとつでも多く生まれてくることを強く願っています。